百万円と苦虫女

はてなハイクでアマゾン貼ったせいかレイアウトが崩れてますね…。
もうちょっとCSSとか詳しかったら自分でいろいろできるのですが!
お久しぶりの更新です。就職決まってばたばたしてたので、いろいろ感想書きたいものはあったのですがなかなか時間がとれず…!リューナイトも動画サイトで拾ってばっかりしてないで、ちゃんとDVDBOX買わないとだめだなあ。そしたらぜひここで感想を書いていきたいです。

というわけで、昨日は仕事帰りに「百万円と苦虫女」を見てまいりました。実ははじめてのレイトショー体験。でも結構映画好きの方ばかり寄るのか、比較的マナーも良く静かに楽しめた気がします。またレイトショー狙って行ってみようかな…お値段も安いしね。

90さんにすすめられて、原作を読んでから見に行ったせいか、展開の早さと心理描写の薄さ(何せ登場人物が基本的に無口だから余計に)は少し期待はずれでしたが、少なくとも「見に行ってよかった」と思えた映画でした。
佐藤鈴子という名前の女の子が、100万円をためながら各地を転々とし、その地の人々と触れ合っていく様子を描いた映画です。
頭も良くない、就職もできないでフリーター、どちらかといえば地味、友達もいない、(こう書き連ねていくと自分のこと言ってるみたいで胸にささるんですが…)取り柄のないなりに普通の女の子だった鈴子が、あるひょんなことから前科持ちになってしまう。ただでさえ自分の存在意義を見出せないでいた彼女は、いわば世間のつまはじきものになってしまうわけです。いたわるような親の対応も作り物のいびつさで、所在なさのあまり、彼女は「100万円ためたら家を出よう。いろいろな場所にいって、100万円たまるごとに住むところを移そう」という計画をたてます。

自分がここにいていい存在なのか?というのは、割と感じたことのある人は多いと思う。私もそういう意識は結構強烈なほうで、人の輪に加われない人ほどそういう劣等感は持ってるんじゃないかと思う。でも、実際になにか行動を起こそうって人は少ないと思うんだけど、それをやり遂げただけ鈴子は強いしえらい子だと思うな。その動機が、「人から逃げたい」っていう非常にネガティブなものなのはどうかと思うけど。
でも誰にも迷惑をかけず、空気のように生きていきたいっていうのは、誰しも一度は思うことでしょうね。「迷惑をかけあってこそ人間だよ」っていうのは、私の大学の仏語の先生が言ってたけど、それをふと思い出しました。

あと役者も良いんだろうけど、人間の撮り方が非常に良かった。刑事さんとか、寝起きの鈴子の顔とか、結構どアップが多い映画だと思うけど、その顔が必要以上に作りこんでない。日焼けもシミも隠さず映してるところは好感がもてました。エキストラの人も、あんますっとした人はいなくて(笑)そこらへんのお姉ちゃんとかおばさんとかを多様してる。おばちゃんとかシャツの上から下着の線見えてるし!鈴子が恋する男の子は自転車に乗ったあとTシャツ汗じみだらけだし!本当に、21才の女の子の等身大の生活空間といった感じで、必要以上にきれいじゃない。生活感のある絵をとるのがうまい監督だなあ、と思いました。
個人的には田舎のおいちゃんおばちゃんがリアルでおもしろかったな。桃園のせがれも、朴訥としてて良かった。
弟くんの存在感もいい。しかし最近の子役は本当に演技がうまい!!

蒼井優ちゃんは、こういういかさない(笑)女の子を演じてもうまいですね。顔立ちや体つきが子供っぽくて、猫背ですぐ床に寝る、だるーっていう雰囲気をかもしだしてておもしろかった。しかし光るときはびっくりするほど綺麗な子だ…なんだろう、不思議な女優さんだな、と思う。