第9地区

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この間観た「チャッピー」が妙におもしろかったので、同じ監督で有名な「第9地区」を観てみました。

第9地区 [DVD]

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評判良いのは知ってたし、予告もインパクトあって記憶に残ってるんですが、
なんかこういう奇をてらった感って苦手なんだよなー……となんとなく今まで避けてきたんですよね。
似たようなエイリアン物の「スターシップ・トゥルーパーズ」がすごく嫌いだったせいもある。
でもこれがむちゃくちゃおもしろかった。
しかし何がおもしろかったんだろうなーと思い返すとよく分かんないんですよね。
展開のひとつひとつは結構王道だと思うんです。
エイリアンと逃亡劇とミリタリーとギャングとホラーとアフリカ呪術がしっちゃかめっちゃかな点でしょうかw
舞台がアフリカだからおもしろかっただけな気もする……。
でも上空に巨大なUFOが二十年間浮かびつづけているという設定が良い。もうそれだけで御飯三杯いけるくらい世界観立ってる。
いっつもニッコニコしてる愛妻家がエイリアンをほぼ無自覚に迫害しているところとか、
スラムに隔離されて地球名を名乗らされているエイリアンとか、細かいとこがリアルなのも好き。
エイリアンを人間に置き換えると実際あった差別だし、結構笑えないけど、風刺というよりは細部を生々しく作りこむためにそうしてる感じ。
(チャッピーもそうだけど、同じ人間の中に極端な残酷さと高潔さを描き出すのがこの監督の芸風なのかな。
主人公のヴィカスが最後ミサイルキャッチするとこのカタルシスがやばい!)
個人的にはギャングがお気に入り。オビサンジョが怖かっこいいので大好きです。死に方も好きw
人体実験のとことかナチスドイツっぽい。そーゆーの苦手なので、あのシーンだけはきつかった……。
まあでも、なんで宇宙船の燃料かぶっただけでエイリアン化するねんとか、
「ぼうやのことを考えろ!」とか卵焼き払ってたお前が言うんじゃねえ〜とか、
基本的には全力で馬鹿やってる姿勢に好感が持てます。
ヴィカスの俗物っぷりに対してエイリアンはほんとに人間できててw、ほんとに三年後に戻ってきてヴィカスを助けてくれるんだろうな〜と信頼のおけるキャラなので、
あの結末でも救いがあります。それまで花を作って頑張れヴィカス。