バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

この間難波に出たついでに、時間つぶしにたまたま観た「バードマン」が
ここ最近観た中で一番おもしろかった、ここ数日あの映画についてずっと考えてる。これが、恋……?
というわけで一旦ここに感想を書きとめておこうと思います。(ネタバレばりばりやで)

・ドラムロールに乗せてエンドクレジットなどの文字が表れていくのは、センス良いのか?私はのつこつした感じがしてあまり好きじゃなかった。
・リーガンは周りに肯定され続けないと生きていけない人。自分が評価されるために平気で周りの人を傷つけるので、どんどん孤独になっていく悪循環。
マイクも孤独だけど、彼は世間の評価に価値を置いてなくて、舞台の中で人生を生きてる天性の役者。水と油のような二人。
・これジャンルがコメディだと観終わった後に知った、ブラック過ぎて全然笑えないわよ……。パンツ一丁で街中を走り抜けてまで舞台に戻ろうとするシーンは執念を感じて泣きそうになってしまった、笑うところなんだろうけど。
・批評家のタビサさん、ハイカルチャーの旧幣さが出てていい感じに最低だった。
・屋根の上でリーガンの娘とマイクが話すシーンがかっこよかった。
・ネットでいろいろ感想を観てると、ラストにいろんな解釈があっておもしろい。リーガンが死後に観た夢だというのが一番しっくりする。
メディアで舞台が絶賛され、娘が望む花を持って訪れる夢。
けどそれじゃああんまり救いがないじゃないか。結局人間は死ななきゃ我執から解放されないのか?
・確かにラストはリーガンの妄想だとは思うけど、最後には理想の世界から飛び出したじゃないか。この世に戻ることを選んだんじゃないか、それくらいに考えないとやってられん!
・こうやってネットで検索したり、感想を上げたりしてる自分も、十分作中で描かれる大衆の一員です。今までにない生っぽい映画体験ができました。それにしてもこんだけ多方面に喧嘩売ってる映画が賞とれるんだから、アメリカってのは確かにフェアな国だなあと思ったのでした。
・でもやっぱりもやもやが残るなあ。レイモンド・カーヴァーは読んだことないので読んでみたい。それから何度も観直したい。