ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

 お久しぶりです。前回の感想から三年。ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qをやっと見てきました。
 毎回毎回公開後にみんながネタバレに戦々恐々としている中、「まあみんなエヴァごときに夢中になっちゃって…」と泰然とした態度を崩さずにワインをくゆらしてるつもりが、
結局一週間も我慢できませんでしたーー私が一番やわでしたーー
 平日夜7時からの回(@TOHOシネマズなんば)でしたが、結構な人の入りで、久しぶりにあんなツメツメの劇場を体験した気がします。窮屈!
 あとアスカのコスプレしてた人がいた。
 まあ見ている間ずっと(゜Д゜;;)な感じで、その後一日中(゜Д゜)な感じの脳内だったんですが、二時間くらいエヴァの感想を言い合う機会があって、やっと落ち着いた気がします。
 というわけで以下感想(ネタばれ全開なので注意!)




・「ミサトさんのわからずや!」とか「嘘つき!」とか、シンジくんは台詞からなにからヒロイン全開だなあ。
使徒戦は、…うん、CGすごかった。でも正直何やってんのかわかんなくて全然おもしろくなかった。なんかスターフォックス思い出しました。
・地球は飛び出すかなあとは思ってたけど、まさか時空を超えてくるとは思いもよりませんでした。ところであの戦艦の、別のアニメから出張してきました的なキャラはなんとかならんですかwwww
・もうリツコさんの出番はないものとあきらめていたのに…どこのGIジェーンかと思った。いやでもリッちゃん大好きだからうれしい!眉毛もなんか垢抜けた!
・トウジの妹さんもやっぱり変な関西弁だった。昔っから思うんですがあれ関西弁じゃあないよね。広島あたり?
・久々に息子に会って言いたいこと(二言)だけ言って帰っていくお父さん。14年たってもびっくりするほど成長していない人がここにも。
・14年たって一番成長したのはきっとマヤさん。
・衝撃の事実どころの話じゃないものすごい逆セカイ系な展開なんですが、シンジくん意外とさらっと納得するなあ。
・カヲルくんとシンジくんのめぐりあいキター!待ちに待ったこの時のために、グランドピアノとなんかそれらしい木まで用意立てして自らの登場を演出するカヲルくん。やっぱおもしろいわこの人。
・何気にグランドピアノの作画に感動した。トムとジェリーリスペクトですね、わかります。
・あんな誰も何もないところでの生活を強いられ、命かけて助けた女の子にはネグレクトされ(あれは嫌われるよりひどいw)、お前のせいで世界が滅びたとか言われたら、たった一人の味方がわけわからんホモだろうがなんだろうが、そりゃ言うがままになっちゃうよね…。宗教にはまる時ってあんな感じなんだろうな…と思いながら見てました。
・しかしあの状況で発狂しなかっただけすごいよシンジくん。
・でもカヲルくんは美しかった!あんだけ思わせぶりに引っ張った甲斐はある!テレビ版の記憶があいまいなんですが、シンジくんはカヲルくんを手にかけた罪の意識で壊れちゃったんでしたっけ?それを浄化する意味でも、今回のカヲルくんは、シンジくんの世界を滅ぼした罪を肩代わりして自爆していったんでしょうかね…。


 まあ私程度のエヴァファンが何を書いても、よりコアな考察をしてくれてるブログがたくさんあると思うんですが…。
 ネルフ本部に行ったあたりからの展開が、序・破でなりを潜めていた抽象世界・衒学趣味がここにきて全開といった感じで、なんというか…懐かしいですねw私は、これぞエヴァ!って思う派なので、結構楽しかったです。庵野監督は本っっっ当に性格悪いですねwそしてこんなわけわからん映画をまた金曜ロードショーで流す気なのか。本気か。
 でも、アスカはシンジを最後まで見捨てないし、レイはアスカの言葉をキーに自我に目覚めるし、砂漠の中を三人助け合って歩いていくQのラストはとても好きなんです。旧版のアスカはひたすら人に愛されることだけを期待してかなえられず、自己否定に陥ってつぶれていくんだけど、今回はちゃんとアスカは人を愛そうとしている。昔はどっちかつーと苦手だったアスカが可愛くてしかたがない。もー旧劇の何が嫌だったって、ひたすら一方通行のエゴの押し付け合いが嫌だったので、これだけでも新劇を見に行った価値はある!と思いました。こんなやりたい放題もいいところなアニメに、なんでみんな足を運んでるかって、やっぱり旧版で彼らに自己投影してかなえられなかったものを見たいからじゃないの?これがエヴァの呪いってことですよね?
 とはいえミサトさんとカヲルくんも十分すぎるほど一方通行でしたがw特にミサトさんひどい!あなた前シンジくんに「誰かのためじゃなく、あなた自身の願いのために!」とか言ってなかったですか。シンジくんが自分の願いのために行動した結果あの冷たい態度ですか。そりゃまあ世界が滅びるとは思わなかったけどwでも14年もあったんだからもうちょっと思いやってあげてもいいんじゃないでしょうか。加持さんが死ぬかなんかあったんでしょうか。
 というわけで、子供たちそれぞれなんらかの形で自分の存在意義を見出して終わって欲しいなー(それが個人的にはハッピーエンドだなー)と思うんですが、庵野監督がそんな簡単に甘い展開を用意してくれるとも思わないので、次作が楽しみなような怖いような、やはり恐い作品だなあと思いました。



 あと同時上映の巨神兵も、短編ながらけっこう良作でうれしかったです。こんなところで宮崎監督のとコラボが観れると思わなかったw
 巨神兵が本気出したら一閃で24区壊滅しそうだけど、めこめこ燃え上がる感じもいいな。舞城さんの文章もすごく良かったです。やっぱり庵野監督にとってナウシカは原点なんだなあと思いました。ところでまさか巨神兵の口の中にキャノン砲が内蔵されていたとは、長いことナウシカマニアやってますが、初めて知りましたわ、びっくりー。